かごマット工法技術推進協会
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工法のQ&A

Q.35 かごマット護岸の根固工法には,「突込み式」,「タレ式」,「根固め式」がありますが,技術上の違いを教えて下さい。

基本的工法は「突込み式」と考えますが,経済性や護岸工施工後の河床の変動等を考慮して,「タレ式」や「根固め式」が多く選定されます。


【解説】

1 基礎高及び根固工高の決め方。

国交省の「河川砂防技術基凖」(設計編T)(P35)の基礎工に関する記述から次のように考えます。
@「突込み式」構造の先端の高さ(基礎高)は,「最深河床高の評価高」とし,必要に応じて前面に最小限の根固工を設置する。
A「タレ式」,「根固め式」構造では,「タレ部」,「根固工部」の高さは,計画断面の平均河床高と現況河床高のうち,低いほうより「0.5 〜1.5m 程度」深くしているものが多い。
B「最深河床高の評価高」
過去の実績や調査研究成果等を利用して「最深河床高の評価」を評価する。

2 護岸構造全体の滑りに対する安定性の検証。
@摩擦係数( f )
かごマットと背面地盤との摩擦係数( f )は,河川砂防技術基凖では,「一般にf = 0.65」と記述されています。(P40)
A安定性の検証
f = 0.65 とは,「のり勾配1:1.5」が滑動の境界値ということにもなります。
従って,滑りに対しては,以下の検証が必要となります。

(イ)突込み式

(ロ)タレ式

(ハ)根固め式

ここで,
推 力:斜角(のり勾配)が「1:1.5 より急勾配」の場合に起こる「のり面方向の滑動力」です。
摩擦力:斜角(のり勾配)が「1:1.5 より緩勾配」の場合に起こる「のり面逆方向の摩擦力」です。